「ドコモコイン」で、iモードをもっと便利で楽しく。
デルサーバとOracle RAC 10gで、お金と同等の扱いが要求されるクリティカルなシステム構築を 実現
アイデアを形にするスピードが勝敗を分ける携帯電話ビジネス。
信頼性の高いシステムを短期構築するためには、Oracle RAC 10gとデルのサービスパッケージが最適の選択肢だった。
株式会社ディーツーコミュニケーションズ
NTTドコモ、電通、NTTアドによる合弁会社。世界初の本格的モバイル広告専門の会社である。「One-Stop Mobile Marketing」をサービススローガンにNTTドコモが運営する「週刊iガイド」「メッセージF(フリー)」の広告取り扱い業務と、企業キャンペーン情報のコンテンツ「とくするメニュー」の運営、3キャリアのとく系サイトで利用可能なショートカットツール「とくナンバー」の発行・運営デジタルプレミアムの制作等を行っている。また、2003年4月業界に先駆け「プライバシーマーク」を取得(A830004)し個人情報保護に対しても力を入れている。
iモードを使った販促キャンペーンの味方「ドコモコイン」
マーケティングのツールとして絶大な魅力を備えているのが、携帯電話であり、iモードである。個人が肌身離さず持ち歩くものだけに、店舗の付近にいる人だけに来店を促す情報を提供したり、空き時間を使ってアンケートに答えてもらうなど、消費者の「いま」を捉えることができる。
iモード上での販促キャンペーン参加者を増やすためには、「アンケートに答えた人には抽選で割引券をプレゼント」といったプレミアムをつけることが多い。しかし、最も効果的なプレゼントの価格と数量を見極めるのはなかなかむずかしい。こうした悩みを一気に解消するのが、NTTドコモが提供するデジタルプレミアムサービス「ドコモコイン」である。
販促キャンペーン等に参加したiモードユーザには、バーチャルコインであるドコモコインが配付される。ユーザはそのコインを、「1コイン=1円分」に換算相当で、携帯電話の利用料金として使うことができる。4,400万人のiモードユーザにとっては、確実に使え、好きなときに使えることのできる便利で楽しいプレミアムだ。
販促を行う企業にとっては、プレミアムを1円単位で自由に価格設定できるうえ、プレミアム総額を管理しながらマーケティング効果を上げることが可能になる。

キャンペーン企業に負担をかけないASPサービス
ドコモコインのもうひとつのメリットは、ASPサービスとして提供されるため、企業が気軽にスポット的な利用ができることだ。プレミアムの授受が携帯電話の世界で完結するため、賞品にする品物の発注や在庫管理や発送業務も一切不要となる。この画期的なドコモコインASPサービスを提供しているのが、ディーツーコミュニケーションズである。
「企業は、利用者の個人情報を管理する必要はありませんし、利用者は事前の面倒な会員登録が不要。しかも、自分が貯めたドコモコインの金額をすぐに確認することもできます。ASPサービスだからこそ、このリアルタイム性を実現することができるのです」と、株式会社ディーツーバイルバリュー部長石井達雄氏は強調する。
お金と同等なバリューを提供するシステムだからすべてを二重化
携帯電話のiモードを使ったキャンペーンは集客力が高く、利用者の利便性も高い。「しかし、ドコモコインはバーチャルながらお金と同等なバリューを扱うサービス。これを支えるシステムは、これまでのシステム以上にクリティカルなものであり、最高レベルの信頼性を実現する必要がありました」と、株式会社ディーツーコミュニケーションズシステム部長伊波達也氏は言う。
サービスのリアルタイム性はASPのサーバとNTTドコモのコインサーバをサーバ間通信で結ぶことで実現する。したがって、サーバ間通信の最中にどこかで障害が起きてもコイン情報を取りこぼしたりすることがないように、ハードウェアもデータベースも、徹底的に二重化することになった。
ベンダー各社の提案を比較している時間なし。
機能、納期、コスト、すべての要求に合格回答をしたデルに即決した
時間が切羽詰っているなかで一発回答したデル
お金と同等なバリューであるということは、極言すれば、金融業界のシステムと同等の信頼性が求められるということである。ところが開発期間は限られていた。ドコモコインの企画が固まったのは2004年12月末のことだったが、動きの早い携帯電話業界で「一番手企業の利益」を享受するためには、1日でも早くサービスインしなければならない。ディーツーコミュニケーションズはハードウェア・ベンダー各社へ一斉に問い合わせをしたが、要求スペックを満たすサーバは調達に時間がかかったり、高価であったり、システム構築後の実機テストに時間をかける必要のある組み合わせであったりした。
焦燥感が広がるなかで、「そのスペックをすぐに用意できます」と最初に返事をしたのがデルであった。しかも予算は、他社に比べると3~5割も安い。
「各社から提案書をもらって比較したり、料金交渉をしている時間の余裕はありませんでした。問い合わせを開始して1週間で、一発回答をしたデルに決めたのです」と伊波氏は言う。
高い完成度のオラクル+デルのビジネス連携
ディーツーコミュニケーションズとシステム開発を担当するテックファームが選択したのは、デルが提供する「Dell SE RACパッケージ」である。これは、オラクルのデータベース「Oracle Database 10g」とそのクラスタ技術「Oracle Real Application Clusters 10g(以降「Oracle RAC 10g」と表記)、そしてOracle RAC 10gに最適化したデルのサーバと高性能ネットワークストレージを、導入サービスと共にワンストップで提供するパッケージだ。
そもそもデータベースとしてオラクルを採用することに異論はなかった。信頼性が求められるシステムでは常にオラクルを選択してきたからだ。将来性も評価しているし、技術的な蓄積も豊富にある。
今回は堅牢なシステムを構築するということで、Oracle RACを搭載することまで決まっていた。Oracle Database 10gは、Standard Editionでクオリティの高いクラスタシステムを構築でき、他のクラスタシステムよりもコストパフォーマンスも高い。Oracle RAC 10gを前提にしたデルのパッケージは、ミッションクリティカルな無停止型システムを短期間で構築するうえで魅力的だった。
「実際、デルもオラクルも連携のビジネスフローがよくできていて、レスポンスが速かった。サポートのやりかたも合理的で、【デルの価格が魅力的なのには理由がある。さまざまな工夫をしているから安いのだ】と感じました」と、株式会社ディーツーコミュニケーションズシステム部企画開発担当河﨑伸明氏は言う。
クリティカルなお金と同等のバリューのやりとりを保証するクラスタシステム
ドコモコインのシステムは、ほとんどすべてのハードウェアを二重化して可用性を追求したシステムである。RedHat® Linux上で開発したアプリケーションは、大量流入制限をするエントリー制御、NTTドコモのサーバとの通信によるユーザ認証、アンケートの回答記録、抽選、ユーザごとのドコモコインの出納管理、バックエンドでのキャンペーン情報の事前制作など、多彩な機能を提供する。レスポンスを上げるためには、データベースのテーブル設計に工夫を凝らした。
注目されるのは、NTTドコモのサーバとのサーバ間通信を確実に行うために、通信のリトライができる「レジウム機能」を開発したことだ。ドコモコインの獲得や配付などのトランザクション情報をASPのデータベースでしっかりと記録したうえで、NTTドコモのサーバと通信を行うため、ユーザが通信エラーになった場合でもリトライして確実にトランザクション情報を伝達できるのである。
「苦労して開発したレジウム機能も、Oracle RAC 10g があってこそ意味があります。2つのデータベースをActive/Active状態で利用してサービス停止の起きないデータベース環境を実現できるからこそ、通信リトライに信頼がおけるのです」と河﨑氏は指摘する。
ドコモコインの活用しだいでビジネスチャンスも広がる
ドコモコインのサービスは、2005年4月4日にスタートした。スタート時点で、参加表明企業65社、実施キャンペーン数26、懸賞総額3,000万相当額を数え、順調な滑り出しである。5月9日にASPサービスが開始されたことで、参加企業も実施キャンペーン数もさらに大きく伸びることが予想される。
「iモードユーザの間でも反響が大きい。早くも、メインコンテンツの【とくするメニュー】の中でトップクラスのアクセス数を獲得しています」と、石井氏は喜びを隠さない。
堅牢なシステムがドコモコインの信頼性を高めることで、さらに可能性は広がっていくのである。